数理生物学演習向けPython環境 2025年度版
概要
数理生物学演習 2025年度向けのローカルPython環境を構築するための手順を説明する.
uv
Pythonのプロジェクト管理ツールのuvを使って環境構築する.
まずは,uvをインストールする.既に導入済みであればスキップしてOK.
以下では,パッケージマネージャー経由でのuvのインストール方法を示す.
公式マニュアルInstalling uv | uvに,その他のインストール方法についても詳しい説明がある. 好きな方法でインストールして良い.
Windows
scoopのインストール
Windowsではscoopを使ってuvをインストールする.scoopがインストール済みであればスキップしてOK.
PowerShellを開いて,以下のコマンドを打ち込む.
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
Invoke-RestMethod -Uri https://get.scoop.sh | Invoke-Expression
scoopがインストールできたら,uvをインストールしよう.
scoopによるuvのインストール
PowerShellから以下のコマンドを実行しよう. scoopのコマンドの詳細については公式リポジトリのWikiを参照.
scoop install main/uv
インストールできたか確認しよう.
uv
uvのコマンドの説明が表示されれば,無事インストールできている.
macOS/Linux
homebrewのインストール
macOS(もしくはLinux)ではhomebrewを使ってuvをインストールする.homebrewがインストール済みであればスキップしてOK.
ターミナルを開いて,以下のコマンドを打ち込む.
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
homebrewがインストールできたら,uvをインストールしよう.
homebrewによるuvのインストール
ターミナルから以下のコマンドを実行しよう. homebrewのコマンドの詳細については公式コマンドドキュメントを参照.
brew install uv
インストールできたか確認しよう.
uv
uvのコマンドの説明が表示されれば,無事インストールできている.
数理生物学演習向けPythonプロジェクト
数理生物学演習向けのPythonプロジェクトを作っていく.
Pythonのインストール
Pythonをインストールしよう.uvは既にインストールされているPythonを検出するが,それ以外のバージョンをインストールしたいときがよくある.
ここではColabと同じバージョンのPythonをインストールしよう.
2025.04.26現在,ColabにはPythonの3.11.12
がインストールされている.
3.11
系をインストールしよう.
uv python install 3.11
プロジェクトの作成
プロジェクトはcompbio2025
というディレクトリの中に作成する.
ここでは自身のホームディレクトリ下の作業ディレクトリ(WindowsだとC:\Users\XXX\working_dir\
,macOSだと/Users/XXX/working_dir/
)の内部に,compbio2025
を作成する.他の場所でも構わない.
XXX
はユーザーアカウント.
以下では,コマンドはWindowsではPowerShell,macOSではターミナルで実行していると想定する.
# working_dirへ移動
cd working_dir
# プロジェクトの作成(Pythonのバージョン指定オプション -p)
uv init compbio2025 -p 3.11
# プロジェクト内部へ移動
cd compbio2025
以下のようなファイルとディレクトリが作成された
(.
からはじまるものは隠しファイル/ディレクトリなので,エクスプローラーやFinderでは表示されていないはず).
.
├── .git
├── .gitignore
├── .python-version
├── main.py
├── pyproject.toml
└── README.md
main.py
はサンプルとして作成されているスクリプトファイル(実行するとHello from compbio2025!
と表示される).pyproject.toml
はプロジェクトの設定ファイル.README.md
はプロジェクトの説明を記述するファイル.
必要なパッケージの導入
このプロジェクト内に演習で必要なパッケージをインストールする.
uv add numpy scipy matplotlib plotly jupyter jupyterlab
JupyterLabの起動
ノートブック環境で進めるためにJupyterLabを利用する.
プロジェクトディレクトリ内で以下のコマンドを実行すると,JupyterLabがブラウザで立ち上がる.
uv run jupyter lab
あとは,Colabと同様に適切な場所にノートブックを作成して,プログラミングを進める.
おまけ:VSCodeからの利用
Visual Studio Code(VSCode)からも利用できる.
ipykernelの導入
プロジェクトにIPython Kernelを導入しよう.
uv add ipykernel
Jupyter拡張の導入
VSCodeにJupyter拡張を導入する.
新しいノートブックファイルを作成し,カーネルを選択する
新しいノートブック(例えば,01/01.ipynb
)を作成し,開く.
「カーネルの選択」をクリックし,.venv
を選択すると,作成したプロジェクトの仮想環境で解析ができる.